【簡単解説】ヨーグルトの基礎知識 | 栄養、種類、製造過程、歴史まで網羅

公開日:2024.10.15

最終更新日:2024.10.16

この記事は、ヨーグルトの習慣的な摂取を検討している方が一般的に知りたいと思う「ヨーグルトの基礎的な知識」について、簡潔にまとめています。

ヨーグルトの基礎知識 まとめ

ヨーグルトはどう「健康によい」食品なの?

栄養バランスに優れた発酵食品です。

無脂肪ヨーグルトなど意図的に栄養を調整しているものもあります。

ヨーグルトは、乳酸菌で発酵させた発酵食品で、栄養バランスに優れています。

「整腸作用」や「免疫力の維持」など、よく耳にする具体的な機能は、特定の保健目的を期待できる成分や菌を入れて「機能」を追加することによりもたらされます。

よって、商品ごとに特徴が異なります。

ヨーグルトに含まれている栄養素とは?

ヨーグルトは5大栄養素である、「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」「ミネラル(カルシウムなど)」「ビタミン(A、B₂など)」を5項目とも含む栄養バランスのよい食品です。

無脂肪ヨーグルトなど意図的に栄養を調整しているものもあります。

この基本的な栄養素に加え、それ以外にも健康に役立つ機能性を有する成分を配合した「機能性表示食品」や「トクホ」、特定の栄養素を配合した「栄養機能食品」などの商品が数多くあり、話題になっています。

ヨーグルトにはどんな種類があるの?

ヨーグルトは大きく6つの種類に分けることができ、それぞれの種類によって口当たりや風味が異なります。

【ヨーグルトの種類 6つ】

  • プレーンヨーグルト
  • ハードヨーグルト
  • ソフト(フルーツ)ヨーグルト
  • ドリンクヨーグルト
  • フローズンヨーグルト
  • 濃縮ヨーグルト(ギリシャヨーグルト)

ヨーグルトの種類ごとに特徴を知りたい方は「3.ヨーグルトにはどんな種類があるの?」をご覧ください。

牛乳からどうやってヨーグルトを作っているの?

ヨーグルトは基本的に牛乳などに乳酸菌や酵母などの種菌(スターター)を入れて発酵させたもので、

  • 前発酵
  • 後発酵

という2種類の製法があります。
(後述の4章で詳しく解説します)

同じヨーグルトといえども、製法や種菌(スターター)の種類の違いにより、風味や味わいに違いが出ます。

また、各社「オリジナル」のヨーグルトの開発にしのぎを削っており、例えば「アロエ」や「フルーツ」を加えたものや、より体によい菌や成分を加えたものなど、様々な種類の商品が存在します。

例えば、体によい菌の一つである「ビフィズス菌」は乳酸菌とは異なり、機能を上げるためにあえて加えている特別なものであり、全てのヨーグルトに入っているというわけではありません。

ヨーグルトの歴史

ヨーグルトは紀元前5000年頃にブルガリアやトルコを始めとしたバルカン地方でたまたま発見されました。

日本では、古代から似たものが存在していたと言われていますが、広まりを見せたのは明治時代です。

以降、それぞれ詳しく説明します。

1. ヨーグルトはどう「健康によい」食品なの?

ずばり!ヨーグルトは

栄養バランスに優れた発酵食品です。

無脂肪ヨーグルトなど意図的に栄養を調整しているものもあります。

ヨーグルトとは、乳酸菌や酵母などの種菌(スターター)で牛乳などを発酵させた発酵食品です。

牛乳などが主原料のため、良質なたんぱく質やカルシウムが含まれています。

ヨーグルトは、習慣的に摂取することで主に「おなか」によい影響をもたらすと言われています。
ただ、ヨーグルトに対して、以下のような機能をイメージされている方がいるかもしれません。

【ヨーグルトに対して、一般的にイメージされがちな機能】

  • 整腸作用
  • ミネラルの吸収をよくする
  • 骨の健康をサポートする
  • 免疫力の維持に効果が期待できる
  • 肌によい影響がある
  • 花粉などによる鼻の不快感を減らす
  • 血圧や血糖値のケアができる
  • 便通改善
  • 脂肪対策、肥満対策ができる
  • 質のよい睡眠がとりやすくなる など

上記のような機能のイメージは、主に機能性を謳ったヨーグルトによるものだと言えるでしょう。

「機能性を謳ったヨーグルト」とは、一般的なヨーグルトに特定の保健目的を期待できる成分や菌を入れて「機能」を追加したものです。

したがって、ヨーグルトならなんでも同じ機能があるというわけではなく、それぞれの商品によって違い・個性があります。

「どんな機能を謳っているのか」ということに注目して、ご自身の目的に合ったヨーグルトを選んで、習慣的に摂取することが大切です。

ヨーグルトの様々な保健機能(期待できること)を一覧形式で見たい方は、以下の記事をご覧ください。

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2. ヨーグルトに含まれている5大栄養素とは?

ヨーグルトには5大栄養素が入っている!

ヨーグルトは5大栄養素である、

  • 「炭水化物」
  • 「脂質」
  • 「たんぱく質」
  • 「ミネラル(カルシウムなど)」
  • 「ビタミン(A、B₂など)」

を5項目とも含んでおり栄養バランスに優れた食品です。

無脂肪ヨーグルトなど意図的に栄養を調整しているものもあります。

また、その中でも代表的な成分を挙げると、

【ヨーグルトの主な栄養素】

  • 良質なたんぱく質
    (筋肉、皮膚、爪を始めとした細胞組織の成分となる など)
  • カルシウム
    (骨や歯の主成分となる など)
  • ビタミンA
    (網膜で光を感知する物質の成分になる、皮膚粘膜を形成する など)
  • ビタミンB₂
    (脂質の代謝や酸化作用に関与する など)

といった皆さんもよく耳にする栄養素が入っています。

ヨーグルトは「体をつくる」!

言い方を変えると、人間に必要な栄養素は大きく分けて

①エネルギーになる
②体をつくる
③体の調子を整える

の3つに役割を分けることができますが

ヨーグルトは特に②の「体をつくる」栄養素が含まれています。

この基本的な栄養素に加え、ヨーグルトには乳酸菌などの善玉菌が含まれています。

また、ビフィズス菌などの菌や成分を配合した「機能性表示食品」や「トクホ」と呼ばれる健康に役立つ機能性を付加した商品が数多くあり、話題になっています。

(参考)農林水産省「食育バランスガイド早分かり
(参考)文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
(参考)一般社団法人日本乳業協会「乳と乳製品のQ&A」
(参考)国立健康・栄養研究所「食事:乳酸菌はどんな働きをするか」

ビフィズス菌や乳酸菌の違いについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

3. ヨーグルトにはどんな種類があるの?

ヨーグルトは大きく6つの種類に分けることができ、それぞれの種類によって口当たりや風味が異なります。

以下では分かりやすく、ヨーグルトの種類や特徴を表でまとめました。

【ヨーグルトの種類・特徴 一覧】
種類 特徴
プレーンヨーグルト

乳、乳製品のみを原料としたヨーグルト
砂糖や香料などの原料を加えていないもの

【おすすめの人】
自分で甘さを調整したい人、お料理に使いたい人

ハードヨーグルト

砂糖や香料などを加え、食べやすくしたヨーグルト

【おすすめの人】
朝食などにそのまま手軽に食べたい人

ソフト(フルーツ)ヨーグルト

発酵後にかき混ぜて滑らかにしたヨーグルト
果汁や果肉などが加えられているものがある

【おすすめの人】
デザートとして食べたい人、甘いものが好きな人

ドリンクヨーグルト

発酵後によくかき混ぜて液状化させたヨーグルト
多くの場合、砂糖や果汁などを加えることで飲みやすくなっている

【おすすめの人】
忙しく、手軽に飲みたい人

フローズンヨーグルト

発酵後にかき混ぜて、アイスクリームのように凍結させたヨーグルト

【おすすめの人】
アイスクリームのカロリーが気になる人

濃縮ヨーグルト
(ギリシャヨーグルト)

水分を取り除いて濃縮したヨーグルト
米国の雑誌「Health」から世界5大健康食品にも選定されている

【おすすめの人】
たんぱく質(プロテイン)が摂りたい人、濃厚な食感・味わいが好きな人

ドリンクタイプ(飲む)ヨーグルトと食べるヨーグルト、どっちがよい?

ドリンクタイプ(飲む)ヨーグルトと食べるヨーグルトで、期待できる機能の違いはありません。
継続して摂取することが大切なので、ご自身が続けやすいものを選ぶとよいでしょう。

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4.ヨーグルトはどのように作っているの?

この章ではヨーグルトの製造過程について図で分かりやすくまとめました。

ヨーグルトは基本的に牛乳などに乳酸菌や酵母などの種菌(スターター)を入れて、発酵させたものです。

発酵のタイミングによって、以下2パターンの製造方法があります。

【ヨーグルトの主な製造方法】

  • 前発酵 製法
    容器に詰める“前”に発酵させる。滑らかなタイプのヨーグルトの製法。
    (例:ソフト(フルーツ)ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、フローズンヨーグルトなど)

    【前発酵 製法の流れ】

    前発酵 製法の流れ

    【前発酵 製法で作られるヨーグルト 例】

    前発酵 製法で作られるヨーグルト 例
  • 後発酵 製法
    容器に詰めた“後”に発酵させる。
    (例:プレーンヨーグルトやハードヨーグルトなど)

    【後発酵 製法の流れ】

    後発酵 製法の流れ

    【後発酵 製法で作られるヨーグルト 例】

    後発酵 製法で作られるヨーグルト 例

殺菌について

原料乳は、高温でしばらく熱することによって殺菌しています。

種菌(スターター)とは?

種菌(スターター)とは、牛乳などを発酵させる乳酸菌や酵母のことです。

入れることによって、牛乳などが発酵し、ヨーグルトにすることができます。

種菌(スターター)として用いられる乳酸菌は通常、複数種類の菌を組み合わせて使います。

組み合わせによって風味や物性(組織)も異なりますので、「ヨーグルト」と一口に言っても商品ごとにそれぞれ個性や特徴があります。

5. ヨーグルトの歴史

ヨーグルトの起源は、ブルガリアやトルコなどのバルカン地方が起源と言われています。

「世界」と「日本」でそれぞれどのような歴史をたどってきたのか、簡単にまとめました。

ヨーグルトの歴史(世界編)

紀元前5000年頃に、たまたま羊の乳が自然発酵して「さわやかな飲み物」として見つかったことがヨーグルトの始まりと言われています。

その後、乳の保存方法の1つとして、各地に広まり、発展していきました。

また、1908年にロシアの微生物学者メチニコフが
「ヨーグルトが腸内の腐敗菌の活動を抑制して、人々の寿命によい影響をもたらしているのではないか」
という「ヨーグルトによる長寿説」を提唱してから、世界的な広がりを見せ現在に至っています。

ヨーグルトの歴史(日本編)

日本では、古代~奈良時代にかけて似たような食べ物が存在していたと言われていますが、あまり広まることもなかったようです。

その後、ヨーグルトが日本で親しまれるようになった始まりは、明治時代です。

市場で「牛乳」が手に入りやすくなってきたことで「擬乳」という余りの牛乳を発酵させることで作られた日本初のヨーグルトが誕生しました。

ヨーグルトの名前の由来ってなに?

名前は古代のトルコ語で「乳からできた酸味のある発酵乳」の意味であるユーグルトが由来と言われています。

「ヨーグルトについて」の記事 一覧

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